【中国民家−王家大院小冊子】

2002.5.18.(TP23B) 売価12元・額面60f(小冊子形式)

    

 「王家大院」は、山西省霊石県静昇村の北12kmに位置する黄土の丘に建てられた大邸宅である。山西省の省都・太原からは南へ150km余り離れている。大院は南向きで、小高い丘にあるため視野が広い。史料に記載されたところによれば、元の皇慶年間(1312-1313)、王実(字は誠斎)という若者が、溝営村から静昇に移って定住した。王実は農業を営みながら、副業として豆腐売りしていたが、その子孫は農業から商業へ、商人から役人へとだんだんと出世していく。地位、名誉、財産を手にした王家の人々は、大掛かりな工事に取り掛かり、「華夏第一宅(中国一の屋敷)」と呼ばれる王家大院を築いた。
   王家大院は個人宅とは思えぬ規模を誇っている。東大院、西大院と孝義祠(家廟)からなり、敷地は3万4650u。院内の建物は配置が独特で構造は合理的、北方建築の雄大さと、南方建築の繊細さとを併せ持っている。また、軒先や升形、目隠し壁、獣形礎石、仏龕、石鼓、門窓、至る所に木彫りやレンガ彫刻、石彫りなどの彫刻作品が施され、丹精こめてつくられたこれらの装飾品の一つ一つは、発想が奇抜で、造型が生き生きして真に迫り、どれもオリジナリティーに富んでいる。絵画、書、詩、人物像、花、鳥獣をテーマにした彫刻を一体に集めた美しい王家大院は、晋中(山西中部)地区における民家の傑作に留まらず、建築芸術の博物館とも言える。

   
   
   
   
   
   
   
   
   

    

 

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